【コラム】DPt以降構築:ガブリアス・レントラー
2010年8月23日(第4回SIP杯との連動コラムです。やや長文になっています)
さて来月5日はDPt以降レギュです!と勢いよく言ったは良いものの、果たしてどんなデッキが、どんなカードが強いのか、主催者の僕自身も五里霧中といった感じです。
とはいえ主催者がそれではあまりに無責任。そんなわけで、残り2週間、時間とアイディアが追いつくかぎり、DPt以降構築の話でも書いてみようかと思います。ふつうのデッキの話はすばらしいエントリをアップしてくれてるブログさんがたくさんありますし、たまにはこういうのも許されるでしょう……w
20日はカードゲットバトルがありました。もちろん周りはDPであふれているわけですが、そこに無理やり持ち込んだ(のに少し手を加えた)のが以下のデッキ。
ポケモン:16枚
2: バシャーモFB[フロンティアブレーン](DPt3-B)
1: バシャーモFB[フロンティアブレーン]LV.X(DPt3-B)
2: レントラーGL[ジムリーダー](DPt2-B)
2: レントラーGL[ジムリーダー]LV.X(DPt2-B)
2: クロバットG[ギンガ](DPt1-B)
1: ドータクンG[ギンガ](DPt1-B)
1: エテボースG[ギンガ](DPt2-B)
1: カイリューFB[フロンティアブレーン](DPt3-B)
2: ガブリアスC[チャンピオン](DPt3-S)
2: ガブリアスC[チャンピオン]LV.X(DPt3-S)
トレーナー:30枚
4: オーキドはかせの新理論
4: アカギの策略
2: デンジの哲学
1: リョウの採集
1: ポケモンコレクター
1: モノマネむすめ
1: ギンガ団の発明G-103 パワースプレー
4: ギンガ団の発明G-105 ポケターン
4: ギンガ団の発明G-101 エナジーゲイン
4: ギンガ団の発明G-109 SPレーダー
1: バトルサーチャー
3: デュアルボール
エネルギー:14枚
6: 炎エネルギー
4: 雷エネルギー
4: ダブル無色エネルギー
突っ込みどころ満載な個々のカードの話題の前に、大枠のコンセプトの話を書いておきます。このデッキが失ったのはユクシーとハマナですが、それに従ってデッキの動かし方も大きく変わっています。
このデッキリストの元になったのは、クーポソさんがPCG-Japan北海道大会に持ち込んだDPt以降構築のムクホークX型(http://72247.diarynote.jp/201007032236222931/)でした(ちなみにこのリストのムクホークラインが1:2なのは、直前になってムクホークが足りなかったという悲しい理由によってです)。
調整としてこのリストを弄っていたとき、ある問題が起こってきました。ハマナの抜けたスペースに収まっていたポケモンコレクター4枚が異常に弱いのです。従来のガブレンでは初手に引けば勝ちゲー臭すら漂っていたコレクターがなぜ?理由はもちろんユクシーとユクシーXの不在ですが、実は他にもあります。
ガブレンは元来、非常にドロー能力の乏しいデッキです。アカギ連打プレイをしている場合、手札に加わるカードは、ターン始めのドロー、アカギで加わるアカギ・エネ・グッズの計4枚。アカギを勘定しないとして、実質的に新しいカードは1ターンに3枚しか加わっていません。ネンドールと比べれば相当な差です。
しかしガブレンはこのようなドロー力不足な一方で、ネンドール狙撃やスプレーによる相手ドロー手段の削減、ポケターンやゲインによるテンポアドバンテージ獲得、雷超闘炎鋼悪無色といったバリエーション豊かな色による弱点ダメージなど、他デッキにはない特徴で異常なデッキパワーを身に付け、最強デッキの地位まで上り詰めたわけです。そして上述の理由で、このデッキにとって序盤のユクシーと中盤以降のユクシーXの1枚ドローは見た目以上に強力です。
さてそれが無くなりました。ただでさえドローが弱いデッキに一体何が起こるのか。それが初手以降にコレクターを引くデメリットの増加です。1ターンにカードが3枚しか手札に入らないのに、その1枚がコレクター=無駄カードになるデメリット。仮に新理論を採用したとしても、6枚ランダムドローでコレクターを引いて実質5枚になるのは、1枚1枚が重要すぎるガブレンにとって大きすぎる打撃です。ドロー能力に乏しいがゆえに、「どこを引いても強い」というガブレンの根本的なコンセプトは何を差し置いても維持されなければならず、従ってコレクター4枚積みは理論的なレベルでも、そして実戦的な感覚でも、「いらないな」と思わせるのに十分でした。
(ちなみに、「どこを引いても強い」の対極を行くのがミカルゲネンドール系のデッキです。中盤以降引いたら弱いカードが大量に入ってますが、その損失を無理やりの大量ドローで補うというシステムは、エネコロロ→(ピジョット)→ネンドール時代の2進化系デッキの基本とも言えます)
デッキリストの話に戻ります。コレクターの代わりに選ばれたのはデュアルボールですが、これは新理論とセットです。とりあえず4枚入った新理論によって、「手札を全部使い切ってから新理論で補充」という動き方を多く用いることになります。デュアルボール採用の理由はその動き方とも噛み合うからです。
とはいえ、グッズの増加はDPt以降でも元気なミカルゲの影響をもろに受けることになります。バシャーモFBはたねの段階でミカルゲをベンチに飛ばせる稀有なカードであり、同時に、このレギュレーションでは間違いなく強いワタッコやハガネールGR、そしてハッサムGRに対して弱点を突けるカードでもあります(一応ラフレシアも嵌めれます)。ムクホークを採用できないのはもったいないですが、1枚でも攻撃のできるカードがほしい環境でもあるので、致し方ないところです。
以上がデッキの根幹に関わる部分についてです。このあとは個々のカードの話と、このデッキの抱える問題点についていくつか。
・エテボースGとカイリューFB
どっちを使うか迷ったので結局両方とも入れてみました。ゲームスピードが遅くなるのでエテボースは強いですし、ミラーのカイリューは言うまでもない破壊力です。が、たぶんどちらかだけでいいです。片方を切ってサポーターあたりに回すべきでしょう。もともと片方はドクロッグGだったのですが、後述の理由により採用しませんでした。
・ポケモン通信不採用
ポケモンの数が減っているので見送りました。特に引きたいカードもありません。
・たつじんのおび不採用
これはたぶんミスでした。前述のようにゲームスピードが落ちているので、入れておいて問題なかったと思います。
・問題点など
大きなものは2点挙げることができると思います。ひとつはエネを引く手段の少なさ。ハマナは偉大だったという話に終わるだけですが、各色のエネの枚数を削ると引けずに困る事態が何度かあったので、エネに関してはまだまだ要調整だと思います。
また、同じ理由で3色にするのが難しくなっています。ドクロッグ不採用の理由はそれに尽きますが、バンギラスGRに歯が立たなかったので(汗)、アカギを頼って3色にした方が良いような気もします。前述のようにガブレンの強さのひとつは多色使用による弱点攻撃だったので、それができないぶん、攻撃力は間違いなく落ちています。
もうひとつの問題点はサイドが見れないことです。主力ラインの細いガブレンでは結構致命的で、ガブリアスとレントラーの下がサイドの奥に1枚づつ落ちて攻撃の手が足りなくなったゲームもありました。アルフの石版の採用はあまり考えたくないですが、ひょっとすると1枚挿しが標準になるのかもしれません。
ゲームスピードが遅くなるので「つまらない」と思われがちなレギュですが、実は考えれば考えるほど面白そうな環境でもあります。次に取り上げるデッキはまだ考えていません。そもそもこのコラム自体が1回で終わりそうな予感満載です。が、できるかぎり、何か取り上げてみようかなと思っています。
さて来月5日はDPt以降レギュです!と勢いよく言ったは良いものの、果たしてどんなデッキが、どんなカードが強いのか、主催者の僕自身も五里霧中といった感じです。
とはいえ主催者がそれではあまりに無責任。そんなわけで、残り2週間、時間とアイディアが追いつくかぎり、DPt以降構築の話でも書いてみようかと思います。ふつうのデッキの話はすばらしいエントリをアップしてくれてるブログさんがたくさんありますし、たまにはこういうのも許されるでしょう……w
20日はカードゲットバトルがありました。もちろん周りはDPであふれているわけですが、そこに無理やり持ち込んだ(のに少し手を加えた)のが以下のデッキ。
ポケモン:16枚
2: バシャーモFB[フロンティアブレーン](DPt3-B)
1: バシャーモFB[フロンティアブレーン]LV.X(DPt3-B)
2: レントラーGL[ジムリーダー](DPt2-B)
2: レントラーGL[ジムリーダー]LV.X(DPt2-B)
2: クロバットG[ギンガ](DPt1-B)
1: ドータクンG[ギンガ](DPt1-B)
1: エテボースG[ギンガ](DPt2-B)
1: カイリューFB[フロンティアブレーン](DPt3-B)
2: ガブリアスC[チャンピオン](DPt3-S)
2: ガブリアスC[チャンピオン]LV.X(DPt3-S)
トレーナー:30枚
4: オーキドはかせの新理論
4: アカギの策略
2: デンジの哲学
1: リョウの採集
1: ポケモンコレクター
1: モノマネむすめ
1: ギンガ団の発明G-103 パワースプレー
4: ギンガ団の発明G-105 ポケターン
4: ギンガ団の発明G-101 エナジーゲイン
4: ギンガ団の発明G-109 SPレーダー
1: バトルサーチャー
3: デュアルボール
エネルギー:14枚
6: 炎エネルギー
4: 雷エネルギー
4: ダブル無色エネルギー
突っ込みどころ満載な個々のカードの話題の前に、大枠のコンセプトの話を書いておきます。このデッキが失ったのはユクシーとハマナですが、それに従ってデッキの動かし方も大きく変わっています。
このデッキリストの元になったのは、クーポソさんがPCG-Japan北海道大会に持ち込んだDPt以降構築のムクホークX型(http://72247.diarynote.jp/201007032236222931/)でした(ちなみにこのリストのムクホークラインが1:2なのは、直前になってムクホークが足りなかったという悲しい理由によってです)。
調整としてこのリストを弄っていたとき、ある問題が起こってきました。ハマナの抜けたスペースに収まっていたポケモンコレクター4枚が異常に弱いのです。従来のガブレンでは初手に引けば勝ちゲー臭すら漂っていたコレクターがなぜ?理由はもちろんユクシーとユクシーXの不在ですが、実は他にもあります。
ガブレンは元来、非常にドロー能力の乏しいデッキです。アカギ連打プレイをしている場合、手札に加わるカードは、ターン始めのドロー、アカギで加わるアカギ・エネ・グッズの計4枚。アカギを勘定しないとして、実質的に新しいカードは1ターンに3枚しか加わっていません。ネンドールと比べれば相当な差です。
しかしガブレンはこのようなドロー力不足な一方で、ネンドール狙撃やスプレーによる相手ドロー手段の削減、ポケターンやゲインによるテンポアドバンテージ獲得、雷超闘炎鋼悪無色といったバリエーション豊かな色による弱点ダメージなど、他デッキにはない特徴で異常なデッキパワーを身に付け、最強デッキの地位まで上り詰めたわけです。そして上述の理由で、このデッキにとって序盤のユクシーと中盤以降のユクシーXの1枚ドローは見た目以上に強力です。
さてそれが無くなりました。ただでさえドローが弱いデッキに一体何が起こるのか。それが初手以降にコレクターを引くデメリットの増加です。1ターンにカードが3枚しか手札に入らないのに、その1枚がコレクター=無駄カードになるデメリット。仮に新理論を採用したとしても、6枚ランダムドローでコレクターを引いて実質5枚になるのは、1枚1枚が重要すぎるガブレンにとって大きすぎる打撃です。ドロー能力に乏しいがゆえに、「どこを引いても強い」というガブレンの根本的なコンセプトは何を差し置いても維持されなければならず、従ってコレクター4枚積みは理論的なレベルでも、そして実戦的な感覚でも、「いらないな」と思わせるのに十分でした。
(ちなみに、「どこを引いても強い」の対極を行くのがミカルゲネンドール系のデッキです。中盤以降引いたら弱いカードが大量に入ってますが、その損失を無理やりの大量ドローで補うというシステムは、エネコロロ→(ピジョット)→ネンドール時代の2進化系デッキの基本とも言えます)
デッキリストの話に戻ります。コレクターの代わりに選ばれたのはデュアルボールですが、これは新理論とセットです。とりあえず4枚入った新理論によって、「手札を全部使い切ってから新理論で補充」という動き方を多く用いることになります。デュアルボール採用の理由はその動き方とも噛み合うからです。
とはいえ、グッズの増加はDPt以降でも元気なミカルゲの影響をもろに受けることになります。バシャーモFBはたねの段階でミカルゲをベンチに飛ばせる稀有なカードであり、同時に、このレギュレーションでは間違いなく強いワタッコやハガネールGR、そしてハッサムGRに対して弱点を突けるカードでもあります(一応ラフレシアも嵌めれます)。ムクホークを採用できないのはもったいないですが、1枚でも攻撃のできるカードがほしい環境でもあるので、致し方ないところです。
以上がデッキの根幹に関わる部分についてです。このあとは個々のカードの話と、このデッキの抱える問題点についていくつか。
・エテボースGとカイリューFB
どっちを使うか迷ったので結局両方とも入れてみました。ゲームスピードが遅くなるのでエテボースは強いですし、ミラーのカイリューは言うまでもない破壊力です。が、たぶんどちらかだけでいいです。片方を切ってサポーターあたりに回すべきでしょう。もともと片方はドクロッグGだったのですが、後述の理由により採用しませんでした。
・ポケモン通信不採用
ポケモンの数が減っているので見送りました。特に引きたいカードもありません。
・たつじんのおび不採用
これはたぶんミスでした。前述のようにゲームスピードが落ちているので、入れておいて問題なかったと思います。
・問題点など
大きなものは2点挙げることができると思います。ひとつはエネを引く手段の少なさ。ハマナは偉大だったという話に終わるだけですが、各色のエネの枚数を削ると引けずに困る事態が何度かあったので、エネに関してはまだまだ要調整だと思います。
また、同じ理由で3色にするのが難しくなっています。ドクロッグ不採用の理由はそれに尽きますが、バンギラスGRに歯が立たなかったので(汗)、アカギを頼って3色にした方が良いような気もします。前述のようにガブレンの強さのひとつは多色使用による弱点攻撃だったので、それができないぶん、攻撃力は間違いなく落ちています。
もうひとつの問題点はサイドが見れないことです。主力ラインの細いガブレンでは結構致命的で、ガブリアスとレントラーの下がサイドの奥に1枚づつ落ちて攻撃の手が足りなくなったゲームもありました。アルフの石版の採用はあまり考えたくないですが、ひょっとすると1枚挿しが標準になるのかもしれません。
ゲームスピードが遅くなるので「つまらない」と思われがちなレギュですが、実は考えれば考えるほど面白そうな環境でもあります。次に取り上げるデッキはまだ考えていません。そもそもこのコラム自体が1回で終わりそうな予感満載です。が、できるかぎり、何か取り上げてみようかなと思っています。
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